被災地での災害看護に欠かせない災害支援ナース

災害支援ナース

災害支援ナースは都道府県の看護協会に登録された看護職能団体の一員として災害時に看護活動を行う看護師を指します。被災地の医療施設や避難所において被災者が健康レベルを維持できるように、適切な医療と看護を提供して心のケアまで行う役割を持ちます。災害支援ナースは日本看護協会が1995年の阪神淡路大震災を機会に立ち上げた制度で、これまで2007年の新潟県中越沖地震、2011年の東日本大震災といった災害で災害支援ナースが派遣されています。

災害支援ナース
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役割

災害支援ナースは地震や土砂災害などが起こった被災地で必要とされる医療活動を行ったり、避難生活という今までとは違う環境の中で生活をしている被災者への生活支援といった役割があります。また被災地の医療施設で働く看護師は人手が足りなくなることもあり、その看護師の交代要員としての役割もあります。
災害の発生直後には災害による怪我の手当てと救助が必要になります。さらに避難所での生活は普段と違う環境の中で生活することもありストレスが大きくなるため、これらのストレスから健康状態が悪化しないように健康状態を保つための心身のケアも求められます。
被災地の看護師は自分自身が被災している状態や、家族が被災している状態でも不眠不休で働かなければならないことが珍しくありません。そのため心身への負担が大きくかかっている状態の看護師のヘルプとして、災害支援ナースが被災地の看護師のストレスや負担を軽減していくことも役割の一つとなります。

役割

活動内容

災害支援ナースの活動内容は被災地の医療機関でトリアージを行うことや、避難所での慢性疾患を持つ人へのケアなどがあります。災害発生直後には災害で怪我をした人が医療機関に一気に流れ込むことになります。そのため病院も混乱状態になってしまうことが多く、病院へ来た患者さんの緊急度や重症度を把握して、治療の優先度を決めるトリアージを行っていきます。混乱した医療機関をしっかりと整えて、緊急度の高い患者さんが迅速に治療を受けられるようにするためにも重要な活動となります。
そして慢性疾患を持っている人に対しては災害によって服薬ができなくなってしまったり、避難生活で悪化をしてしまう恐れもあるため健康チェックをしっかりと行うことも大切な仕事となります。また年齢や基礎疾患によって食事への配慮が必要な人もいるため、食事メニューの調整や感染症予防なども大切な仕事の一つとなります。

活動内容

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