災害看護のDMATとは何か

DMATとの違い

日本は世界でも有数の地震多発国であることから、実際に今までも多くの自然災害を経験しています。災害には自然災害だけではなくテロなどの人的要因を含むこともあり、自然災害以外の災害時でも医療処置や看護は必要となります。これらの災害時には災害看護が派遣されていますが、災害派遣医療チームのDMATと呼ばれる災害医療活動チームがあります。災害看護とDMATの違いについて押さえておきましょう。

DMATとの違い
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DMAT

DMATは災害発生直後に派遣されることになります。災害拠点病院に勤務する看護師が対象となり、DMATを統括する国立行政法人災害医療センターで4日間の日本DMAT隊員養成研修を修了している人たちで構成されています。この研修には筆記試験と実技試験もあり、それらに合格した人たちが実戦訓練を行ってDMAT隊員となります。
そのためDMATとして活躍する看護師は災害看護の一つでもありますが災害支援ナースとは少し異なる役割を持っています。DMATは災害発生直後から救助などに関することにも役割を持ち、治療の優先度を決めるトリアージの知識と実戦が求められます。活動期間も災害支援ナースと比べると短期間で集中的な活動を行うので、より専門的な知識と技術を持って活動をします。

DMAT

災害支援ナース

一方で災害支援ナースは日本看護協会と各都道府県の看護協会が連携して派遣しています。そのため災害の規模に応じて被災県内の看護師や近隣の都道府県看護協会が調整をして看護師を派遣することになります。災害直後にはこの派遣が間に合わないこともあるので、災害直後はDMATに任せて災害発生の3日後から1ヶ月間の期間を担当します。
災害支援ナースとして活動するためには2日間の研修を修了して日本看護協会の災害支援ナースとして登録することで派遣されます。また1年に1回の都道府県看護協会や日本看護協会が開催する災害看護研修や合同防災訓練に参加していることが条件となることもあります。
現地の医療従事者も被災者でありながら地域の被災者のために医療者としての役割を果たしていますが、やはりそれだけでは心身の限界があります。継続的に被災者の健康を守るために1ヶ月間被災地の医療従事者をいかに支援するかといった仕事が重要となるのが災害支援ナースです。急性期を過ぎてからの災害支援には被災者の気持ちをよく理解し、様々な併発する症状を抑えるための看護が必要になります。そのためDMATとはまた違うやりがいのある仕事が災害支援ナースです。

災害支援ナース

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